家計講座

「103万・130万円の壁って何? ~配偶者控除など~」

PHM12_0602所得税がどのように決まるか、控除(割引)の中でも人に関わるものを見てきました。この中で、一番複雑なのが「配偶者控除」。今回は、この配偶者控除にスポットをあててご説明しましょう。

主婦の方が、パートや派遣社員などでお給料をもらうのはよくあることですね。もちろん正社員としてバリバリ働いていらっしゃる方もおられるでしょう。
このように、主婦が働いてお給料ももらう時によく聞かれるのが「103万・130万円の壁」。聞いたことはあるけど、よく知らない……という方のために、ご説明します。

損をしない働き方は?

主婦がお給料をもらうようになったときにまず考えるのが、

・自分が税金を払わない
・ご主人の扶養の範囲内
・自分自身で社会保険(健康保険・年金など)を払わない

程度に働きたいということが多いですね。

いずれも、専業主婦への優遇策の恩恵を得る範囲で働くといった考えです。

これらの考え方は、女性の働き方を制限するという意味で賛否両論あります。また、今後はこれらの策がなくなるもしくは縮小されるという動きもでています。とりあえず、今の制度をしっかりとチェックしておきましょう。

自分自身の所得税を払わなくていいのは? → 年収103万円まで

誰でも、ある程度のお給料をもらうと「税金」を払う義務が発生します。ではいくらから税金を払わなくてはいけないのでしょうか?

所得税を払わなくてはいけない年収額は、ズバリ103万円!

年収103万円以下であれば、自ら所得税を払わなくていいということ。

*103万円とは、給与所得控除の最低額65万円と基礎控除38万円を足した額。給与所得控除の削減案がよくいわれていますが、削減案が通るとこの103万円も、もっと低い額になってしまいます。

また、所得に関する税金は他にも、住民税があります。この住民税を支払わなくてもいい額は、年収100万円。ただ、この100万円から103万円の間での住民税は数千円程度といわれているので、気にしない方がいいかもしれませんね。また、会社の家族手当も年収103万円を基準にしているところが多いので

「103万円の壁」と言われるのですね。

配偶者控除が受けられるのは? → 年収103万円まで

次に、ご主人の税金を考えて見ましょう。ご主人の税金を考えるときに、扶養している人の数で控除される額が変わりました。ですので「配偶者控除」が得れるかどうかで、ご主人の所得税の税額が変わってきます。この配偶者控除が受けれる範囲は、やはり年収「103万円」未満。

また「配偶者特別控除」というのもあり、年収103万以上141万まで段階的に控除されます。つまり、103万までは控除がフルに受けれて、141万円までは少しずつ減りながらもいくらかは控除があるということ。

控除を考えるときも103万円がポイントですね。といっても、141万円までは少しでも控除があるので、どちらがお得がは微妙なところですね。

社会保険(健康保険・年金など)の被扶養者の範囲は? → 年収130万円まで

税金とは別に、社会保険の支払いも考慮の対象になります。サラリーマンの妻は、ある収入以下であれば、健康保険の被扶養者になっています。その額は「年収130万円」。
年収130万円を超えると、夫の被扶養者からはずれ、自分で健康保険に入る必要がでてきます。年金も同じくですね。この保険料負担は、上の税金の負担より高いものとなるでしょう。
*これは、夫が会社員の場合です。自営業者などの場合は、妻も健康保険、国民年金に加入しているので年収130万円を超えても変わりはありません。

いかがでしたか?103万、130万円の壁がご理解いただけましたか?

ただ、この額ばかりを考えて仕事をセーブするより、更なるキャリアアップを目指してバリバリ仕事をするほうがいい事も多いと思います。それぞれ、よく考えて賢く働きたいものですね。

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